イタリアから歩きだそう!/水沢透
自分がイタリアという国に惹かれる理由で、感覚的に一番近いかなと思う本。
といっても、自分自身はイタリアへは2回行っただけだが。
しかもローマ、フィレンツェのみ。
7~8日程度で個人旅行的な商品で行っているので、どうしても行けるところや場所の数も限られてしまう。
この本の著者のように、3ヶ月の語学留学をするほどの度胸もないし。
イタリアでブランド品を買いたいわけでもなく、名所だけ見られれば良いというわけでもない。
通りと広場、行き交う人々、近くのバールから漂うエスプレッソの匂い、革製品のそういった空気をじっくり感じながらひたすらストリートを歩く。
目に付いた古い教会があれば、こそっと覗いてみる。
そうした単純なことだけで、ひたすら楽しくワクワクさせてくれるのがイタリアの街だと思う。
もちろん、僕自身は旅行者だったしイタリア語もほとんどダメだったので、筆者のように地元の人達との濃いコミュニケーションが取れてないし、イタリアのダークな部分というのも体験していない。
ただ、この本の筆者がイタリアに対して感じている部分、イタリアという国が好きだという感覚は非常に同調できるのである。
カラッとした青空の下、フォロ・ロマーノの丘へ上がり、ポピーの花に囲まれ芝生に寝っ転がって遺跡をぼんやりと眺めていた時の幸福感、また味わいたい。
いつのことやら。
この本は、イタリアから自分の奥さんへ書く手紙形式となっているが、非常に読みやすく、且つイタリアの光と影の部分も描写してあり、これからイタリアへ行ってみたいと思う人にはオススメ。