終わりのセラフ(第1期)★★★
吸血鬼に支配され、人間は彼らに血を捧げる為の家畜となってしまった世界の話し。
こう書くと、なんかどこかで聞いたような話しだなと思うけど、ざっくりした設定はそんな感じで目新しさはない。
吸血鬼といっても、風体も言葉も考え方もほとんど人間と大差なく、彼らの恐ろしさというのはあんまり伝わってこなかった。
しかも、意外と吸血鬼も人間どもと全面戦争だと言ってみたり、ヘリコプターや飛行機を使って攻撃を仕掛けてみたり、なんか自分がイメージしてる吸血鬼と違うなと。
まあ、そういう吸血鬼像もありなのかもしれないけど、おかげで更に彼らに対する怖さが減少してしまっている気もする。
やっぱり、なんだかよく分からず不気味な存在、実態が掴めない生物など、そういう人間が定義できない、記号化できないものが恐怖をより増すと思う。
そういった意味においては「シドニアの騎士」なんかは個人的に最高に面白く感じるわけだが。
吸血鬼も酷いことするけど、人間だって実は恐ろしく残酷な生き物だよっていう部分はラスト近くで出てきており、う~ん、このパターンかぁ、そんな使い古されたストーリーを2期で更に展開させるんじゃなかろうなという一抹の不安が残った。
あと、物語冒頭ではウィルスによって人間の人口の大部分が失われるも13歳以下は発症しないということ、吸血鬼が住んでいる区画外ではそのウィルスがあるおかげで、外の世界に逃げ出したくても出られないという設定だったように思うが、実際には主人公は外に逃げ出し、そこには大人の人間達が生きていて街の復興も始まっていた。
これに関する説明が全くなく、ウィルスはどうなったんだろうと疑問に思いながら観ているのは、奥歯に物が挟まったような感じでモヤモヤしてしまった。
ただ、全体としては可も無く不可も無くというデキではあるので、それなりには楽しめる作品。
当然、続きがどうなるのかも気になる。