Walking backstreet(裏道を歩いていこう)

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Walking backstreet(裏道を歩いて行こう)

40代後半になっても自分の生き方、進む道が分からない男のブログです。「40にしても惑う」人間の悩みや日常の思考などを趣味も交えて書いています。

ブラッド・ダイヤモンド

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レオナルド・ディカプリオ主演の映画ですが、意外にはまりどころの役って感じで良かったです。
 
しかも、中盤までのヘタレでゲスな感じのキャラを演じさせるあたり、この映画の本気度が伺えます。
 
非常に硬派な社会派ハリウッド映画という作品に仕上がっており、見応えも充分あります。
 
アフリカのダイヤモンド資源を巡る社会問題がテーマ。
 
欧米をはじめとする先進国では、美しさと富の象徴でもあるダイヤモンド。
 
それがきらびやかな店頭に並ぶまでに、原石の採掘現場でどれだけの奴隷労働が酷使され犠牲が払われているのか?
 
テロリスト達が小さな部落を襲撃、発掘作業に奴隷として従事させる男達を拉致し、子供達は洗脳し少年兵として育て上げる。
 
そうした状況には見て見ぬ振りをする宝石業界だが、誰もその暗部を表沙汰にはできない。
 
それは宝石業界を敵に回すということになり、アンタッチャブルな問題だから。
 
たぶん、登場人物以外はほとんどノンフィクションなんじゃないですかね。
 
この映画にアメリカ国務省がクレームを付けたという話しも聞きますが、要は、それぐらい内容としてきわどいものなんでしょう。
 
舞台となるのがアフリカのシエラレオネという、実在する国。
 
実際に、内戦が10年続いていたことや平均寿命が世界で最も短い国であることなど、この映画で描かれる紛争ダイヤモンド問題が実に真実味を帯びてきます。
 
再び言いますが、恐らくこの映画で描かれている内容は実際に起こっていることなのだと想像します。
 
前置きが長くなりました。
 
以下、簡単なあらすじ。
 
アフリカで違法に採掘されるダイヤモンドが、密輸業者によって一般の市場に流通しているのですが、かたやそれが反政府組織の資金源となっており、欧米のダイヤモンド会社はこうした状況を巧に利用して巨万の富を得ています。
 
主人公アーチャー(ディカプリオ)は、反政府組織に武器を調達し、見返りに違法ダイヤモンドを受け取りダイヤモンド会社に売る裏稼業的な仕事をしているのであります。
 
一方、反政府組織に村を襲われ家族と引き裂かれたアフリカ人のソロモンは、ダイヤモンド採掘の重労働に従事させられるのですが、そこで大きなピンクダイヤモンドを発見、なんとか監視の目を誤魔化し自分のものにしようと、採掘場の近くの土に埋めて隠します。
 
しかし、アーチャーにそのことを知られてしまい、彼につきまとわれる事になるのですが、ソロモンは自分の息子が反政府軍に捕らえられたことを知り、息子を助け出すためアーチャーと一緒にピンクダイヤモンドが隠されている地へ向かうのでありました。
 
ここに、もう一人絡んでくる人物が、ダイヤ密輸の真相を追求しようとている女性記者ボウエン。
 
この3人がメインとなり、物語は進行していきます。
 
ざっくり言うと、内線で反政府軍に捕まった息子を取り戻そうとするソロモン、ソロモンが隠し持っているピンクダイヤをもらう代わりに助けることを手伝うアーチャー、アーチャーから密輸に関する情報を得るため彼らに協力するジャーナリストのボウエン、といった感じです。
 
映画は、非常に示唆に富んでおり、例えば主人公アーチャーがアフリカ生まれの白人であること、少年兵がどのように作り出されているかの具体的な描写(麻薬を射って半分洗脳状態にする)、反政府軍が民衆に手足があるから投票に行くという理由で手足を切断する行為をするが、歴史的に言えば奴隷貿易時代に欧米列強国がアフリカ人にやっていた行為と同じなど、見ているだけで身につまされるエピソードがわんさかです。
 
この作品の中で唯一の救い(もちろんラストも救いがながったわけではない)は、内戦で傷ついた子供達をケアする学校にアーチャーが訪れた時、そこの教師と「人はもともと善か悪か」という会話をします。
そこで教師は「人は生きていくうちにどう行動するかで善悪が決まる」と答えるのです。
 
この言葉を聞いてからアーチャーの心の中にも変化が生まれ、そしてラストの展開へと繋がっていきます。
 
詳細については、実際にこの映画を観ていただきたいのですが、先進国の消費行為には、こうした問題が裏に隠れているという事をガツンと突きつけられる作品です。
 
現在、紛争ダイヤモンドに関しては2000年に協議が行われ、そうした紛争ダイヤの取り引きをしない協定が作られたとのことです。
 
もしかしたら、ダイヤモンドに関しては問題が解決したのかもしれません。(実際はそう簡単な話しではないでしょうが)
 
でも、ダイヤ以外ではどうなのか?って話しがあると思います。
 
自分の身の回りにあるもの、珈琲とかガソリン(原油)とか、我々が普通に消費しているものが、実は産出国では多大な犠牲の上に先進国に届けられているのかもしれません。
 
こういう映画も作ることができるのがハリウッドの凄さなんでしょうね。
 
日本ではあまりヒットしなかったようですが。。