Walking backstreet(裏道を歩いていこう)

Walking backstreet(裏道を歩いて行こう)

40代後半になっても自分の生き方、進む道が分からない男のブログです。「40にしても惑う」人間の悩みや日常の思考などを趣味も交えて書いています。

純潔のマリア

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なかなかのエロさはあるものの、争いを常に繰り返す人間世界へのアンチテーゼといった感じだろうか。

 
舞台は中世のヨーロッパで、あの100年戦争が舞台となっている。
 
当時の戦の状況など、割と史実に沿った設定となっているにも関わらず、そこに本当に術を使う魔女や神などを登場させている。
 
魔女は人間達の戦争を利用して金儲けをしているようなのだが、具体的にどのようにして魔女達に利益が生まれているのかが、最後まで理解できなかった。
 
そこが弱かったから、その行為に加担せず人間達の戦争を止めさようとする主人公の魔女マリアの思いも、今ひとつ伝わりにくかったように思う。
 
マリアは何故、人間達の争いを命を懸けてまで止めようとしていたのか、その明確な理由は結局分からずじまい。
 
後半で、自分自身に何故?と問いかけるシーンもあったんだけど。
 
人間世界を常に俯瞰しつつも不介入を決め込む神(天使ミカエルやその上に君臨するもの)も登場させた事により、世界の絶対的真理は「人は争いをするものである」となっている。
 
なのでテーマとしては、それでも戦争を止められるかが焦点になり、非常に重たいものなんだけど、シリアスさはそれほど感じられない。
 
いわゆる歴史的な知識、例えば100年戦争の背景だとか、当時のヨーロッパにおける主流宗派と亜流宗派の違いだとか、魔女についての考え方といった事を知っているとトリビア的な楽しみ方もできる作品。
 
でも、核となるのは戦争を止めることが出来るのか、正義はどこにあるのかといったシンプルな問いである。
 
全体としては凄く良い作品だと思うんだけど、マリアが他の魔女と違う気持ちや考えを持っているのは何故かが掘り下げてないので、そこが弱く感じられ見終わった後の満足感が薄味。
 
同じように、イングランドの魔女ビブがマリアを好意的に助けるようになったのかも不明のままで、要はそういう点が見ていて残念だなぁと感じられるのである。