Walking backstreet(裏道を歩いていこう)

Walking backstreet(裏道を歩いて行こう)

40代後半になっても自分の生き方、進む道が分からない男のブログです。「40にしても惑う」人間の悩みや日常の思考などを趣味も交えて書いています。

プラスティック・メモリーズ

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原作はどうせゲームとかだろうと思っていたら、どうもそうでもないみたい。

 
感情を持つアンドロイドが、普通に社会の中で人間と共に生活している世界の物語。
 
ギフティアと呼ばれるそのアンドロイドは、人間同様の感情を持ち、性格も見た目も様々なタイプが存在する。
 
つまり、アンドロイドだけどほぼ人間と一緒なのがこの物語の一番目のポイント。
 
SAI社という企業がそれを開発し、使用契約に基づき人間に提供されるのだが、その形態は親代わりであったり、工場の作業員であったり、恋人に近いパートナーであったりと色々ある。
 
但し、アンドロイドには耐用年数があり、9年4ヶ月(81,920時間)を過ぎると人格や記憶が壊れ始め人間に危害を及ぼす可能性が出てくるため、メーカーによる回収が義務づけられている。
 
これがこの物語の二番目のポイント。
 
アンドロイドの回収作業とは、具体的にはオーナー(使用者)の同意に基づき、目の前で機能停止させ工場へ持って帰る事をいう。
 
主人公のツカサは、その回収作業を主業務とするSAI社のターミナルサービス部署に、親のコネで入社し配属されたのだが、以前にエレベーターで乗り合わせた時に心惹かれた少女アイラとそこで出会う。
 
アイラがアンドロイドで、ターミナルサービスで回収作業を担当している社員であることをそこでツカサは知るのだが、事の成り行きでアイラとペアを組むことになる。
 
主人公が心惹かれているのは人間とほぼ同じ作りのアンドロイドであるアイラ、しかし、アイラにも耐用年数がありいずれは回収されてしまう、、、というこの設定で、視聴者はこの先にある辛く悲しい葛藤の物語を容易に想像でき、それだけで泣けてきそうになる。
 
展開的には、物語冒頭で泣ける要素のネタを晒してしまっているので、後はどのように肉付けし、どこで着地させるのだろうかという部分に興味を惹かれるわけだが、結論から書くと、肉付け部分が不十分というか迷走してしまったなぁという印象。
 
ここからは若干ネタバレ有りなので注意。
 
物語開始後、アイラが特別な何かを持っていて、後半へ進むに連れその謎が解き明かされるのではとしばらくは思っていたが、結局は彼女も他のアンドロイドとは何一つ変わらない存在であった。
 
こっちが勝手にそう思い込んでいたと言われればそれまでだが、そう感じさせるシーンが所々有り、わざとミステイクする誘導を試みたのか、監督の方針転換なのかが不明。
 
んで、次は主人公ツカサの成長物語かと思わせるシーン(マニュアルを第一にする主人公が、チズというお祖母さんに回収後も人格を入替して新たな契約をすることができる旨を言うが、お祖母さんからお前は何もわかっちゃいない風な事を言われる)が出てくるが、そこの部分はこれ以上掘り下げられることは無かった。
 
ツカサがコネで入社したことを部署内で野次られるシーンや、コネ採用を頼まれた部長が主人公について喋るシーンとかもあるのだが、それも全て只の思わせぶりレベルで終わっておりフラグ回収されたとは言い難い。
 
次に出てくるのがアンドロイドの闇回収業者との攻防。
 
闇業者がギフティアを勝手に回収した後、いったいどうするのかが不明のままで、そもそも期限切れとなれば、ギフティアは人格崩壊を起こしリミッターも解除されるため武装していない人間では止めようがないはず。
 
ちなみに、人格崩壊し暴走の危険があるギフティアをワンダラーと呼ぶ。
 
闇業者も冴えないオッサン一人だけで、民間警察とも言えるアール・セキュリティ社を引っ張り出したした割りに、これも実際には攻防というほどではなくそれ以上の展開もなかった。
 
で、そのセキュリティ社と因縁があるターミナルサービスの上司カヅキのエピソードも、そこそこ描かれていたが、掘り下げ方としては今ひとつ。
 
次に、ギフティアの父親に育てられた同じ部署内のミチルは、回収期限を過ぎても父親から離れたくなかったが故にワンダラー化させてしまい、最後はセキュリティ社にギフティアを破壊されるという経験を持つが、その回想シーンが度々登場した。
 
ギフティアと使用者の親密な関係が、ワンダラー化という問題を起こしてしまう悲哀にスポットを当て、このテーマがこの物語の核となるのだろうと思っていたのに中途半端に尻すぼみしてしまっている。
 
僕が感じる肉付け部分の消化不良感は、こういったところだろうか。
 
色々と迷走した挙げ句、結局は主人公ツカサとアイラの純愛物語路線に後半は落ち着いたのだが。
 
純愛路線を盛り上げる為に様々な角度のエピソードを盛り込んだという考え方もできるが、それでももう少し深度が欲しかった。
 
着地点は、非常に潔さが感じられる。
 
物語の肉付けがあれほど迷走したのに、結末は潔すぎるぐらいの着地ともいえる。
 
ラストの遊園地のシーンはさすがに泣けてしまった。
 
これについては一応、伏線が敷いてあり、ギフティアが回収期限を迎え作動停止され新しいOSを入れ替えた後に、以前の記憶を取り戻す可能性が無いかを主人公ツカサが模索するシーンがある。
 
結局のところ、その可能性は無いという結論に達するのだが、ここの部分ももう少し濃く描いて欲しかったところ。
 
ラストをどうするかは悩ましいところだったと思うが、人間とギフティアの純愛モノというところに重点を置くならあれしか無かったのかもしれない。
 
ただ不思議なのは、ギフティアのOS入替時にデータ(記憶)バックアップ機能とかあっても良さそうなのにと思ったこと。
 
まあ、それが出来ないからこの物語は成立してるわけだが。
 
あと、あれほど高性能なアンドロイドが作られている世界なのに、ターミナルサービス社員が外回りに出る時はホワイトボードに予定を書き込んでいたのが笑えた。
 
そういうところはアナログチックなんだなぁって。