Walking backstreet(裏道を歩いていこう)

Walking backstreet(裏道を歩いて行こう)

40代後半になっても自分の生き方、進む道が分からない男のブログです。「40にしても惑う」人間の悩みや日常の思考などを趣味も交えて書いています。

2019年に読んだ本(その2)

あけましておめでとうございます。
2020年一発目は「2019年に読んだ本(その1)」の続きです。
 
新年一発目の記事が、昨年の記事の続きとかって、我ながら締まりのないブログだと実感しておりますが、そういう性分なので諦めています。
 
それでは以下から紹介。
 
 
ヒートアイランド

ヒートアイランド

 

 テンポが非常によく、スイスイと読めてしまいす。東京の渋谷を舞台にしたギャング抗争のお話し。主人公は渋谷を拠点としてストリートファイト商売を生業にするチーマー。そこにプロ窃盗団が盗んだ大金とヤクザが絡み物語が進みます。僕もたまに行きますが、少し前の渋谷センター街って恐ろしいところだなぁと思ってしまいます。

 
 
 
◆「新世界より(上)」/貴志祐介
新世界より (上)

新世界より (上)

 

 

◆「新世界より(中)」/貴志祐介
新世界より(中) (講談社文庫)

新世界より(中) (講談社文庫)

 

 

◆「新世界より(下)」/貴志祐介
新世界より(下) (講談社文庫)

新世界より(下) (講談社文庫)

 
1000年後の日本が舞台。念能力(超能力)を得た人類の物語で、ダークファンタジーっぽい内容です。前半はとある村の子供たちの学校生活や日常がメインで、読んでいてちょっとだるい感じもしますが、悪鬼や業魔の話しに展開していくにつれ読むのが止まらなくなります。1000年後の日本なのになぜ退行したような世界観なのか、村の外はどういう世界になっているのかなど、早く先が知りたいと思いながらあっという間に読み終えてしまったぐらい面白かったです。
 
 
 
◆「地元がヤバイ…と思ったら読む凡人のための地域再生入門」/木下斉
地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門

地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門

 
久々に「そうだよ、こういうことなんだよ!」って思えた本でした。地域再生を小説風の物語にして描いており、しかも実際の経験談を踏まえて書いてあるので、かなりリアル。補助金は麻薬と一緒という話しや、人数は少なくても良いが結局は本気でやる人間しか地域再生はできないなど、まさにその通りだなと。全体の意見をまとめるための会議やワークショップも気持ちよくぶった切ってあって、我が意を得たりって感じの内容です。
 
 
 
◆「稼ぐまちが地方を変える」/木下斉
稼ぐまちが地方を変える 誰も言わなかった10の鉄則 (NHK出版新書)

稼ぐまちが地方を変える 誰も言わなかった10の鉄則 (NHK出版新書)

  • 作者:木下 斉
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2015/05/08
  • メディア: 新書
 
もう一冊の「地元がヤバイ…」の流れで読んでみました。先ほどの「地元がヤバイ…」に小説形式で出てきた内容を、一つ一つ解説形式で書いてる感じですかね。地域活性化という一見それらしき言葉が、実は具体性の全く伴わない掛け声でしかないこと、そして補助金で踊らされる地域の人々。そんなまやかしではなく、腰を据えリスクも取って行う地域再生とは?を読むことができます。
 
 
 
 
◆「真・天狼星ゾディアック1」/栗本薫
真・天狼星 ゾディアック1 (講談社文庫)

真・天狼星 ゾディアック1 (講談社文庫)

 
実は、栗本薫氏の作品はこれが初めて。何となくで手に取った本でしたが、どうやらシリーズものだったらしく、しかも最終章でした。主人公である名探偵の伊集院大介によって過去に解決したはずの事件が、実は…という感じの内容。凄惨な殺人事件を軸に物語が展開していきますが、なかなかのグロさです。まあ、ただ名探偵がいてワトソン役がいて、協力する仲間と警察がいて、二十面相みたいな敵がいるという構成は読んでいてさすがに古さを感じましたが、とりあえず続きを読んでみたいです。
 
 
 
◆「感染領域」/くろきかずや
九州でトマトが枯死する病気が流行し、主人公の植物学者、安藤仁が調査を開始。発見した謎のウィルスを分析を進める一方、研究所に勤める旧友が変死し事件は巨大な種苗企業へと繋がっていく、という感じですかね。いわゆるバイオミステリーで、食物や農産物を操ることって実はけっこう人類にとってヤバイ話しなんだって実感します。ただ、ミステリーとしては特に秀でている印象はなく、普通に物語として面白かったなという感じ。
 
 
 
 
◆「GOSIK」/桜庭一樹
GOSICK ―ゴシック― (角川文庫)

GOSICK ―ゴシック― (角川文庫)

 
異国の地に留学してきた主人公、久城一弥が学園の図書館塔に住む美少女ヴィクトリカと知り合い、共に事件に立ち向かうお話し。ちょっとライトなミステリーという感じで、昔読んだ江戸川乱歩怪人二十面相シリーズに似た雰囲気だなと思いました。凄く凝ったミステリでもなく、驚くようなどんでん返しがあるわけでもないですが、何となく引き込まれてしまう小説です。
 
 
 
 
 
◆「再び男たちへ」/塩野七生
自分にとって塩野七生さんのエッセイは、あれば買ってしまう類の本です。「ローマ人の物語」に代表されるように独自の視点で歴史を検証してきた力量は、現代の政治や社会に対しても理論的に言葉を投げられることを証明しております。いわゆる一般的なフェミニストとは違う語りが面白くてつい読んでしまうのです。
 
 
 
 
竜馬がゆく(一) (文春文庫)

竜馬がゆく(一) (文春文庫)

 

 

竜馬がゆく(二) (文春文庫)

竜馬がゆく(二) (文春文庫)

 

 

竜馬がゆく(三) (文春文庫)

竜馬がゆく(三) (文春文庫)

 

 

竜馬がゆく(四) (文春文庫)

竜馬がゆく(四) (文春文庫)

 

 

竜馬がゆく(五) (文春文庫)

竜馬がゆく(五) (文春文庫)

 

 

竜馬がゆく(六) (文春文庫)

竜馬がゆく(六) (文春文庫)

 
これは再読ってやつですが、それでも学生時代以来なので、約30年ぶりに読み返しているところです。昨年読み返した「燃えよ剣」も面白かったですが、「竜馬がゆく」は色んな意味でそれ以上に面白いです。今の坂本龍馬のイメージは司馬遼太郎氏が作ったものだと言われてますが、確かにそれはあると思います。ただ全くのフィクションというわけでもなく、司馬先生なりに様々な文献を研究調査し、時にはゆかりのある地へ足を運び、生き証人から直接話を聞くなどして書かれたのがこの作品です。ですが、あくまでも歴史小説であることを踏まえ、「龍馬」でなく「竜馬」としているという話を聞いたことがあります。そう意味では、実際の坂本龍馬という人間はここの「竜馬」にかなり近い感じの人物だったんじゃなかろうかと、個人的には思っています。人気が出れば必ずアンチも出ますので、それは致し方ないかなと。
 
 
 
 
◆「仮面病棟」/知念実希人
仮面病棟 (実業之日本社文庫)

仮面病棟 (実業之日本社文庫)

 
たまたま当直となった医師、その病院にやってきた強盗と負傷者。ただの立てこもり事件かと思いきや、思わぬ方向へと展開していく。僕は見ていませんが映画化もされている小説です。テンポも良く且つ読みやすいとあって、あっという間に読めます。面白くて読みやすくて先が気になるという点で、東野圭吾に似てるなぁと勝手に思っております。
 
 
 
◆「優しい死神の飼い方」/知念実希人
優しい死神の飼い方 (光文社文庫)

優しい死神の飼い方 (光文社文庫)

  • 作者:知念 実希人
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2016/05/12
  • メディア: 文庫
 
死神が犬の体を借りて病院に入院している患者たちの未練を成就させていく物語。それぞれの患者たちのエピソード部分と、後半の事件を解決する部分で構成されておりますが、全体を通して感じられる優しさに癒されます。決してハッピーエンドとは言えないんですが、それでも読んだ後は何とも言えない清々しさのようなものがありました。
 
 
 
 
◆「レゾンデートル」/知念実希人
レゾンデートル (実業之日本社文庫)

レゾンデートル (実業之日本社文庫)

 
自らが末期癌に冒されていることを知った若手の外科医、岬雄貴が主人公。自暴自棄となった彼は体を鍛え上げ街の不良を襲撃するが、それがきっかけとなり連続殺人鬼ジャックと接触を持ち共犯者となる。一方で偶然助けた少女と過ごすうちに心を通わせ、自らの行動に思いや悩み、そして…という感じでしょうか。知念氏のデビュー作にもなるこの作品ですが、ラストまでの展開はほとんどの人が想像できていたのではないでしょうか。だからといってつまらないわけではなく、わかっていても最後は泣けてしまいました。
 
 
 
◆「どがでもバンドやらいでか!」/丁田政二郎
どがでもバンドやらいでか! (ポプラ文庫ピュアフル)

どがでもバンドやらいでか! (ポプラ文庫ピュアフル)

 
自分もバンドをやっている人間なので、タイトルが気になり購入。なぜか我が地元のお隣、鳥取県倉吉市が舞台で親近感が湧きました。主人公の高校生、宮田が一緒にやっていたバンドを首になり、自分でメンバーを一から集め学園祭のステージに立つまでのお話し。バンドを首になるというやるせない体験が主人公のエネルギーになってるというのはよくわかるなぁと。しかも、カシオペアコピーバンドですから、なかなかの腕の持ち主だと思われます。自分は首にはなりませんでしたが、下手すぎてバンドやりたいって声をかけることすらできなかったです(^^;ただ、物語自体は非常にあっさり味に仕上がっています。物足りないと感じた人は多かったと思いますが、なんか自分の高校時代を思い出せて、個人的には良かったかなぁって感じ。
 
(続く)