ファイヤーフォックス
クリント・イーストウッドが監督と主役を務めた作品。
あらすじ
イギリス諜報局が、ソ連がミグ31最新鋭戦闘機の開発に成功したという情報を得るところから話しが始まります。
NATO側がこの機を開発するには後10年かかると言われており、NATO軍はソ連が開発した機体を奪取する計画を立て、その任務を遂行するために白羽の矢が立てられたのが、主人公のミッチェル・ガント(クリント・イーストウッド)。
果たして、彼はソ連から戦闘機を奪うことができるのか?
といった感じです。
前半と後半
前半はスパイ潜入もの、後半は戦闘機アクションものといった感じに分かれています。
主人公のガントは、ベトナム戦争でのトラウマを抱えており、冒頭で軍が彼をヘリコプターで迎えに来た際、その回想シーンが出てきます。
流れ的に、主人公がその任務を拒むくだりだったり、引き受けるかどうか悩む場面があるのかなと思ったのですが、意外にあっさりと仕事を引き受けます。
ここは、けっこう拍子抜けしましたね。
戦闘機を盗むにしてはユルイ
国家をあげての戦闘機泥棒です。
普通に考えれば、敵の真っ只中に乗り込んで最新鋭戦闘機を盗んで逃げるなんてかなり神業的所業です。
主人公は、ソ連に先行潜入しているスパイ達の協力を得て何とか、軍の基地まで辿り着きます。
確かに、KGBとの駅での攻防などはそれなりにスリルがありましたし、主人公をかばって死んでいくスパイ達にも涙しました。
また、ガントも慣れないスパイ行動のため、自らの行動が自身を窮地に追いやってしまうあたりも面白かったです。
でも、基本的にソ連軍がちょっと間抜けっぽい感じが否めませんでしたね。
そのあたり、もう少し何とかならなかったかなぁと。
最新鋭戦闘機
そして、奪取作戦を遂行するうえでこの機体に名付けられたのがファイヤーフォックスなのであります。
けど、実際に作品の中で登場するこのファイヤーフォックスは、デザイン的に今ひとつという印象でしたね。
それとステルス機能で追撃不可のはずなのに、作中では逃げるファイヤーフォックスの排気熱反応を探知してソ連軍が追っかけるという展開は、一種のコントであります。
まとめ
見た人の大半が感じたであろう、戦闘機アクションシーンのスターウォーズ寄せ感は、ちょっと笑ってしまいました。
それだけじゃなく、「ロシア語で考えるんだ」という言葉が頭の中に響くシーンも、「フォースを信じるんだ」を思い起こさせます。
あと、この時代のクリント・イーストウッドが演じていると、何となくですが、西部劇の戦闘機バージョンという印象も拭えず、けっこうモヤモヤした感じの評価となってしまいました。
全体としてはややB級っぽい感じですかね。