Walking backstreet(裏道を歩いていこう)

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40代後半になっても自分の生き方、進む道が分からない男のブログです。「40にしても惑う」人間の悩みや日常の思考などを趣味も交えて書いています。

地方移住ブームで結局のところ地方は活性化したの?

地方移住ブームというのものがあったのかは記憶にございませんが、その熱は現在でもけっこうおさまっていない気はしております。
 
地方の人達からすれば、人口減少が叫ばれる中、都会から人が移住してくるのは地域活性化に繋がり喜ばしいことと考えているのが常でしょう。
 
くろばこは地方在住者ですが、僕はどちらかというと「地方移住者増=地域活性化」という方程式に疑念を持っている人間ですので、そんなところに行政が力入れてもしょうがないんじゃないかと思っています。
 
確かに、我が島根県隠岐海士町Iターン取り組みが全国的にも有名で実績もあるじゃないかという論もおありでしょう。
 
あれも離島だからこそ、という部分は大きかったんじゃないかと思っています。
 
それと海士町長さんの手腕によるところはかなりあります。
 
くろばこも海士町長さんの講演を2回ぐらい拝聴したことがありますが、確かにエネルギッシュで行動的な反面、役場職員の賃金を下げて予算を捻出した話しとか聴くと、全国どこでもできる話しではないよなと思わずにいられません。
 
職員の中には、そういう強引な手法によってIターン者増という成果を出そうとする町長のやり方を快く思っていない者もいるでしょうし。
 
400人以上もIターン者が増加して凄いとか、全て順当に上手くいっている的な美談ばかりがどうして目に付きやすく、実際には元の住民とのトラブルとか色んなマイナス面も本来はあるはずなんですよね。
 
特に地方移住、つまり田舎へ移住するということは、基本、コミュ能力があることが重要になってきます。
 
それと、いわゆる地域社会、集落社会における絶対的な主従関係、集落組織の中に否が応でも放り込まれます。
 
コミュ能力があること、主従関係を受け入れられること、集落組織の一員となること、これって普通のサラリーマンが要求される事と同じなんですよ。
 
要は、都会での会社勤めに嫌気が差して田舎に移住したいって思っても、同じような能力なり忍耐は要求されるわけで、組織勤めが嫌だって言ったって田舎でも形を変えて組織は厳然とあるのです。
 
もっと意地悪く言うなら、会社員勤めが嫌で逃げ出した人間は田舎へ来たってやはり安住の地は確保できないということ。
 
まあ、これは極論ですので、実際には田舎での暮らしが根本的に自分に合っていたという人も一定割合いるとは思いますが。
 
ただ、今書いたようにサラリーマン時代に要求されるコミュ能力や組織の中で働く事の適性が無い人間がいくら地方に移住したところで、そんな人間が集まる田舎が活性化するわけがないと僕は思うのです。
 
ちなみに、くろばこの勤め先がある地域はけっこうな田舎です。
 
くろばこが学生時代から知る限り、何十年経っても活気が出るどころがどんどん寂れている感じは否めません。
 
たぶん、どこの地方でも同じだと思うのですが、そこにある空気感は「昔は良かった」「昔のように人口が増えればここも活性化する」です。
 
昔へ回帰みたいな流れの中、都会が嫌で移住してくる人をあてにして地域活性化なんてするわけないだろうと思わずにいられないんですよね。