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40代後半になっても自分の生き方、進む道が分からない男のブログです。「40にしても惑う」人間の悩みや日常の思考などを趣味も交えて書いています。

自暴自伝/村上"ポンタ"秀一

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村上ポンタ秀一の自伝本です。
 
普通、いわゆるアーティスト本となると、その人の事を好きな人しか手を出さないと思うのですが、この本は音楽に興味無い人でも、意外と楽しめる本じゃないでしょうか?
 
なんせ、ポンタ氏がこれまで関わってきた人達がスゴイので、誰かしら知っている人が本の中に登場するのですから。
 
ちなみにこの本、ポンタ氏が執筆したわけじゃなくて、編集者とのインタビュー形式で話したものを録音し、それを文章に起こしたものだそうです。
 
なので、最初から最後までポンタ氏の語り口調で書かれているので、非常に読みやすいです。
 
ポンタ氏が一体何者なのか?音楽にあまり詳しくない人からすると、まずそこで引っかかる事になりますが、井上陽水矢沢永吉忌野清志郎山下達郎といったミュージシャンだけでなく、キャンディーズ、ピンクレディ、山口百恵松田聖子といったアイドル達の楽曲でもドラムを叩いた、日本トップのドラマーと説明すればその凄さが分かってもらえるでしょう。
 
この人には、音楽ジャンルという概念は持ち合わせていません。
 
ジャズだろうが歌謡曲だろうが演歌だろうが、ポンタ氏にとってその分類はどうでも良くて、ひたすら楽しく演奏できるかなのです。
 
面白いのが、ポンタ氏は必ず歌詞を重要視していて、楽曲構成よりも歌詞がわからないと基本叩きたくないというところ。
 
ドラムとかの打楽器だったら、歌詞無くても演奏できるじゃんと思う人がほとんどだと思いますが、そこがポンタ氏の凄さであり、色々な人達から支持される理由なんでしょう。
 
歌詞の内容を理解し、それに色を添えるようにドラムを叩く事によって音楽を作り上げようとしたポンタ氏ですが、たぶん現場ではけっこう疎ましく思われていたはず。
 
だって、普通はオケ(演奏のみ)を最初に録音し、歌詞は後からというパターンが当たり前で、そこで歌詞を先に見せろというドラマーは珍しかったろうし、めんどくさくもあったでしょうから。
 
そこで我を通すポンタ氏の様子も本には書かれていて面白い。
 
音楽の事や、ポンタ氏の事をあまり知らない人でも、楽しく読める珍しいアーティスト本です。
 
この本読んでから、曲を聴くときに誰がドラム叩いているのか気にしてみるのも一興でしょう。
 
あと、この本ではじめて「ポンタ」の由来が分かりました。
 
ここでは書きませんが、ある意味羨ましい経歴の持ち主でもあります。
 
ちなみにくろばこが気に入っているポンタ氏のドラムは麗蘭の1stアルバムです。
 
この作品では、ポンタ氏の凄さがあますところなく味わえます。