なぜ退職の話しが切り出せないのか
退職したい気持ちは以前から変わってないが、いっこうにボスに話しを切り出せない。
役員室に入って、スケジュールの打合せや報告をしている時、いくらでも話しをできる状況はあるのだが言い出せない。
僕は次長という立場なので機構的にその上は部長である。
しかしながら、以前に書いたと思うが、僕は会社トップのボスから直接指示を受け業務を実施したり調整したりする立場にあり、ボスとの関係性も含めて非常にビミョーな立ち位置にいる。
なので、部長からすれば面白くない話しかもしれないが、進退に関する話しも先にボスに伝えてから、部長には後ほど話しをする逆パターンになるのだ。
まだ、部長に先に話す方がハードルが低いとは思う。
部長は仕事も真面目だし、冷静に対処するし、組織的には申し分ない人だと思うけど、個人的にはスゴイ苦手。
部長からコミュニケーション取ってくることはほとんど無く、普段の業務上の相談などもしにくいタイプの人だ。
だから、仕事上の話しについてはハードルがけっこう高い。
でも自分の進退の話しだと、こちらもかえって腹がくくりやすく、話しも切り出しやすい。
ただ、相手がボスとなると、どうしても躊躇してしまうのだ。
ボスが怖くてとか、そういうのではない。
僕とボスの関係はどちらかというと、くだけた感じの付き合い方で、ボスも僕といると気が楽なのかしょっちゅう出張とかに連れて行く。
他の人達も、ボスに直接言いにくい案件や予定調整などを僕に頼んでくるぐらいだ。
ある意味、自分はボスから信頼されきっているフシがあり、退職の話しをするというのはもうこれ以上は応えられない事を意味するのだ。
当然、ボスは僕を慰留するだろう。
なんなら、お前が希望するところへ異動させてやると言い出すかもしれない。
しかし、それが僕にとっては何の解決策にもならず、ボスに一目置かれているということは、他の人達から見れば贔屓されてている事であり、それが重荷にもなっているのだ。
実際、そういった声が直接耳に入る事は無いが、風の噂で回り回って聴くことがある。
自分の事ぐらいは別にかまわないが、部下についても同じような目で見られ、何かあると〇〇課(自分の部署)はボスがバックに付いているからいいよね的な空気がある。
最近、こんな事があった。
ウチの会社は色んな商品を事業推進するのだが、それは管理部門に配属されていても同じで、はっきりノルマ数字を言われるわけではないが(管理職はハッキリと言われる)、売ることができなければ自分で買うなり、親戚や友達にお願いすることになる。
普段の業務をしながら推進するのは大変なので、結局は自分で買う事になるのだが、その引き落とし金額は10年も続けていると半端ない数字になり、今では何の為に働いているかわからないぐらいだ。
当然、社内では誰もがそんなやり方はおかしいと思っているし、ちょっとした反発もあるのだが、昔からやっていることであり、みんなやっていることという理由で、期日までに達成しなければいけない暗黙の空気がある。
が、最近入った僕の部下(中途採用で約2年ぐらいの職歴)は、今年、それをやらなかったらしい。
事業担当の上司と話し合いになった時、「友達や親に契約を頼むのは嫌だ。自分が契約するのも嫌だ。」とごねたそうだ。
それでも上司が「誰もがやらなければならないし、あなたがやらなかった数字は他の人が被らなければならない。」と諭すも、「じゃあ、そんな理不尽なことさせられているってボスに言う」と言ったそうだ。
話しはそこで終わったらしく、僕の部下は推進数字を達成することなく今に至っている。
ただ、ボスにもその話はしていないようだが。
この話しも直接部下から聴いたわけではなく、噂として耳に入ってきた。
当然、こういう事がわかれば、誰もいい顔はしない。
ボスが目に掛けているという状況がマイナスに作用し、他部署から反感を買いものすごくやりにくくなるのだ。
実際、我が部署から他の現場部署へお願いしなければならない案件は多々あり、もし、「おたくの部下の△△さんは、事業推進やらなくても良かったんだから、ウチも別にしなくていいでしょ。」なんて言われれば、ぐうの音も出なくなる。
その部下をきちんと指導できなかったのは僕の責任だが、その部下が言っていることは確かに正論でもあるので、例え自分と事業推進達成のことで話し合ったとしても、部下を説得させることは難しかったろうと思う。
下手すりゃ、「じゃあ辞めます」となる。
辞めたいのはこっちなんだが。。
話しが少し逸れた。
要は、自分はそういう状況に好むと好まざるとに関わらず置かれてしまっており、いい加減疲弊してきてしまったということだ。
こうした事を上手く言葉にしてボスに伝えるのは難しい。
でも、言わないと自分がひたすら磨り減るだけだ。
ボスには申し訳ないと思う。
自分はそれほど強くなく、人間関係の調整も下手クソで、仕事もそんなに好きじゃない。
周囲の色んなやっかみを撥ね付けるだけのエネルギーもない。
もう辞めさせてください。
そう正直に言えたなら、どんなに楽だろう。
ボスの事が嫌いではないだけに、辞めたいと言い出しづらいのだ。