Walking backstreet(裏道を歩いていこう)

Walking backstreet(裏道を歩いて行こう)

40代後半になっても自分の生き方、進む道が分からない男のブログです。「40にしても惑う」人間の悩みや日常の思考などを趣味も交えて書いています。

どんな仕事でもダメージエリアはあるわけで

◆以下は、ある男の職業遍歴です。
 
大学を卒業して、特に考えも無く商社に就職し営業職担当となった。
 
最初は新卒でそんなに数字のことも言われないし、行く先々の顧客から優しい言葉をかけられ、なんだ楽勝じゃんって思う。
 
運良く提案した商品を採用してもらい実績も作ったが、3年目ぐらいからマンネリな仕事を続けていたせいで売り上げも先細りし、数字が達成できなくなり、会社にも居づらくなって退職する。
 
自分には営業職は向いてないと思い、文章書く事が好きだから、そっち系の仕事探していたらローカルタウン誌の取材記者を募集しており、面接したら受かった。
 
中途採用ということもあり、それなりに結果を出さなきゃと思い頑張るが、実際の仕事は取材よりも広告営業がメインで、雑誌に広告掲載してもらうために取材するといったもので、面接時には聞いてなかった広告営業ノルマも課せられ、2年と持たずに辞めてしまう。
 
物書き仕事をあきらめて、やっぱり自分は事務仕事だったら続けられるんじゃないかと思い、その手の仕事を探すことに。
 
小さなの建設会社の事務に運良く採用が決まり働き始めたが、暇なときは現場に連れて行かれて現場職人と一緒に働かされる。
 
事務の仕事は実際にはすることがほとんど無く、恐らくは男だったら現場に行かせ、女性だったら事務やらせようというステルス採用だったのだと後から気付く。
 
これじゃあ、普通にアルバイトで現場作業やった方が単価が良いじゃんと思い、半年ぐらいで辞める。
 
次はちゃんと事務職として採用してくれるところを探そうと思い、中規模の建設会社に応募する。
 
何故か建設系の募集ばかりだが、だいたいにして地方とはそんなもんである。
 
その建設会社で募集していたのは、総務・経理の管理職的な仕事で、若干不安はあったものの、いつもの浅はかな自信で何とかなると思い応募したら採用される。
 
ここでは、前の会社の様に現場に出される事はなかったが、いきなり訳分からない建設経理事務の処理をやらされたりする。
 
自分もスキルが無いのが分かっていたので簿記の勉強をしたが、机上での勉強が実務ですぐに役立つわけもなく、徐々に追い込まれた感が出始める。
 
また、事務は僕以外は女性4人であり、そのうち2人は社長の親戚関係、もう1人は若い女性だったが僕とはそんなに馴染んでくれそうな雰囲気が無かった。
 
必然的に女性4人と男性1人という構図になり、仕事で分からない事を聞きたくてもなかなか聞ける空気もなく、目に見えない圧迫感に段々と耐えられなくなり、逃げるように会社を辞めた。
 
この時30歳。
 
さてどうしたものかと思い、とりあえず建設会社はあきらめて製造工場での募集を探すことに。
 
自宅からはやや遠いものの、食品ベンダー工場で業務係募集というのがあり応募してみる。
 
製造現場の仕事では無いが、総務系の仕事というわけでもないらしく、よくわからないまま採用され仕事を始めた。
 
どうやら自分は受発注システムの運用、保守担当を任されたようで、各店舗からあがってくる商品をシステム受注し、それを製造ライン毎に指示書にして日々伝達するのが仕事だった。
 
そこではオフコンやらWindows95やらを使って受注オペを行っていたが、基本はそこにいる担当者が自前で作ったシステムで、まずはその使い方を覚えることからスタート。
 
中でもロータス1-2-3のマクロで組んだ製造指示書関連のファイルには手こずったが、何とか努力してついていき、1年後には自分もそれなりのロータス1-2-3の使い手にまでなった。
 
システムオペの仕事は自分にも合っていたらしく、それなりに仕事も評価されすぐに管理職へ登用されたが、同じフロア内にいるお局様と一悶着やらかしてから歯車が狂い始め、自律神経を煩い休職を経て退職に追い込まれる。
 
しばらく療養するも、働かないと食えないので、また懲りずに仕事を探し始める。
 
まず見つけたのが、小さな防水工事会社の事務だったが、これも現場に引っ張り出されたことと、一緒に入社した性格の悪い女性事務員が嫌で3ヶ月で辞める。
 
次が、飲料系製造会社の事務で採用してもらうも、販売事務と品質検査の掛け持ち仕事だった。
 
これはこれで難なくこなしたが、事務所にいる女性社員と気が合わなくて1年ぐらいしんどい思いをする。
 
いつの頃からか女性社員に対して苦手意識が芽生えてしまっているようで、動悸が激しくなるぐらいに追い込まれ、もう辞めようと思い開き直ったらそこから普通にその女性とは話せるようになった。
 
結局、そこも辞める事になるのだが、この時だけは次の会社にお誘いを受けて行くことが既に決まった形で辞めることになった。
 
そして現在に至る…。
 
 
とまあ、ざっくり書き連ねてみましたが、男のモデルは自分です。
 
多少、脚色してありますので、100%そのまんまというわけではありませんが。
 
営業→ライター→建設作業員→事務→システム管理者といった遍歴を辿っていますが、要はどこへ行っても、何かしらのダメージエリアやモンスターは存在していて、そこをどう切り抜けて進んでいくかって事です。
 
若い時は、それこそ全て討伐しないと先に進めないと思っていましたが、こうやって年齢を重ねると、無理にモンスターを討伐しなくても逃げながら進めるってのもありだし、モンスターを仲間にするってのもありなんだと分かってきます。
 
あと、昔はスライムに苦労していたのが、今では全くの雑魚状態っていうのは、仕事経験の中でもよくありますが、これはやっぱり時間がある程度経たないと実感できない。
 
このことが30年近くかかって分かる僕のような人間と、社会人1年目から理解している人間では、その差は歴然ですね。
 
こう考えてみると、RPGそのまんまだったりします。
 
なので、希望としては転職しやすく、あちこちのフィールドに好きなように出かけられる社会だと、もうちょっと楽になれるんだろうけどなって、よく思います。
 
誤解しないで欲しいのは、転職しようが、色んなところに行こうが、そこはそこで自分のレベルよりやや高い問題(クエスト)が待ち受けているのは避けられないってこと。
 
その中で、討伐したり依頼をこなすことで、僕らのような凡人は生き抜いていくしかないわけで。
 
でも、一番はやっぱりRPGのルールを作る側に立てる人っていうのが凄いんでしょうけど。