Walking backstreet(裏道を歩いていこう)

Walking backstreet(裏道を歩いて行こう)

40代後半になっても自分の生き方、進む道が分からない男のブログです。「40にしても惑う」人間の悩みや日常の思考などを趣味も交えて書いています。

グリスリップ

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すごく丁寧に作られているって雰囲気が、ビシビシと伝わってくるアニメです。
 
当然のことながら、まずもって画が美しい。
 
君の名は。」は、まだ見ていませんが、新海誠作品のそれと双璧をなすぐらいのクオリティじゃないでしょうか。
 
そして、淡々とした日常をベースに5人の高校生達の思いが、純文学風に描かれています。
 
ただ、視聴者を置き去りにするほど、意味不明で難解な作品でもあります。
 
説明も何もなくどんどん進んでいきます。
 
正直、物語としての体裁は最初から最後まで放棄してしまっているように感じました。
 
ネット見てみると、予想通り不評の嵐って感じなのであります。
 
ちょっと狙いすぎかなぁとも思ったんですが、僕的にはけっこう好きなアニメの部類に入りました。
 
あらすじ
舞台は福井県
 
主人公は、実家がガラス細工工房を営んでいて、美術部に所属する高校三年生の深水透子。
 
彼女が仲良くする井美雪哉と高山やなぎ、永宮幸、白崎祐の5人で、一緒に夏祭りに出かけたり白崎の実家でもあるカフェに集まったりしていました。
 
そこへ、沖倉駆という少年が同じ高校に転校してくるのです。
 
彼は、未来の声が聞こえるという不思議な能力を持っており、同じ力を深水透子も持っていると知り、そこから彼女と共感しあうようになるのですが、、、。
 
負傷で陸上部の練習に出られなくなった雪哉は透子の事が好きで、その雪哉の事をやなぎが片思いでいて、病弱でいつも本ばかり読んでいる永宮の事を白崎が好きで、でも永宮は同性である透子に対し特別な思いを持ってたりで、そうした関係性を軸に話しは進んでいきます。
 
SFなのか恋愛ものなのか青春ものなのか
一緒に仲良くやっていた5人グループに、沖倉駆という異分子が入ってきたことで、彼らの関係性やバランスが微妙に崩れ、それまで内に秘めていたそれぞれの気持ちが表面化し、そこから色々とあるわけですよ。
 
それは、まさに10代の青春群像でもあり、個々の関係性に焦点を当てると恋愛ものでもあるのです。
 
ところが、そこへ駆と透子の未来の声が聞こえる、トンボ玉を通して未来が見えるという設定が入ってくることで、SFっぽい展開も観る側としては期待してしまいます。
 
けれど、そのSF系の展開は、オチどころがよくわからないままラストを迎え、結局あれは何だったの?ということで大多数の視聴者からは不評となったんだろうなと思われます。
 
たぶん、思春期における特有の感受性の強さとか、大人とは違うものが見えている少年少女を描きたかったのかなと勝手に思ってます。
 
彼らが見ているのは本当に未来なのか、それともただの想像の産物なのか、それは分からないまま終わってしまいます。
 
まさに視聴者置き去りですねぇ。。
 
他にはない演出
静止画、ストップモーションによる印象付けの演出が頻繁に差し込まれてます。
 
そこにどういう意味が隠されているかは知るよしもないですが、確かに印象には残りました。
 
あと、状況説明するセリフがほとんどありません。
 
本当に日常の会話をそのまんま持ってきた感じです。
 
やなぎと雪哉がどうして同じ家で生活しているのか、えっ兄妹?とか色々悩んでましたが、後になって再婚で親同士が一緒になっての状況が理解できました。
 
本当に説明が何もないアニメです。
 
ほとんど回収されない伏線
駆が、家では庭にテントを張ってそこで寝泊まりしている理由とか、未来が見えるとか、透子が見た雪景色はいったい何を意味しているのかとか、透子の母親も同じように何かが見えるのだろうかとか、それ以外にも気になることたくさんあるんですが、ほとんどは明らかにならないし、伏線もそのままで終わります。
 
多分、僕らはアニメや映画、小説といった物語では起承転結があり伏線があればラストまでにきちんと回収されて、明らかにできる謎は結果の答えがあって然るべき、という概念ができあがっているのでしょう。
 
だから、そうしたお約束から余りに逸脱しすぎると、どう自分で処理して良いかわからず、この作品はつまらないという評価を下すのです。
 

まとめ

でも、僕たちが生きている日常生活って、実は常に起承転結があって、問いに対する答えが必ずあるわけでなく、グラスリップで描かれているように、よくわかんなけど時間はただ過ぎていくって感じですよね。
 
決して激しい激情的なものばかりが10代の少年少女を描く手法ではなく、このように物静かで内的な青春、しかも夏休みだけの出来事を描くアニメがあってもいいかなと思うのです。
 
日常の一つ一つの行動や言葉にそれほど意味はなく、でもそういうのが日々積み重なり後で振り返ると、ちょっとした物語になっている、人の日常ってそんなもんだよねというのがこのアニメを観ていて感じられました。
 
僕は、後から何度でも見返してみたい作品だなと思ってます。