最近読んだ本でのベスト1かな。
元々は、著者のアンディ・ウィアーが自信のウエブサイトで連載していたものを、まとめて読みたいという読者の要望によりKindleから最低価格99セントで出版、世界的なベストセラーとなった作品だそうです。
そして、「オデッセイ」というタイトルで映画化もされます。
まだ観てませんが(^^ゞ
「ロビンソン・クルーソー」とか「15少年漂流記」とか、簡単に言うとその類なんですが、違うのは舞台が火星ということ。
しかも、ガチにリアル科学をベースにしたお話しであること。
この点が重要なのです。
西暦2100年の設定とかだと、本当に空想科学になっちゃうんで、火星に人が取り残される絶望感とかが伝わらないわけですよね。
唯一、リアルの世界と違うのは、物語では有人火星探査が実施されているということ。
この3度目のミッションに参加していた主人公ワトニーとそのクルー達は、火星で猛烈な砂嵐に襲われ脱出することになったが、不運なことに、脱出直前に折れたアンテナがワトニーを直撃、そのまま行方不明となってしまいます。
クルー隊長は断腸の思いでワトニーを火星に残したまま脱出、この事故を知ったNASA含めて誰もがワトニーは死んだものと思っていました。
しかし、ワトニーは幸運?にも生きていたのであります。
物語は、そこからスタートします。
火星という地球以外の惑星で、たった一人の人間がサバイバルしていくのです。
大半はワトニー自身による、ログに日記として記録した内容を綴る一人称の語りとなっていますが、その語り口調がユーモラスで面白いんですよね。
実際、本当にこんな状況になったら、僕なんか絶対気が狂ってしまうだろうなと思うのですが、それと同時に宇宙へ行ける人間は、やはり頭がよくないとダメなんだなと、この物語を読んでいて感じます。
リアル世界において、宇宙飛行士になれるのは、体力的な事はもちろんのことですが、同時に優秀な頭脳も必要とされることになんとなくそうなんだなぐらいの理解しかなかったわけですが、この本を読み納得できました。
僕の頭のレベルじゃ無理だって(^^ゞ
宇宙飛行士というのは、誰でも簡単になっちゃいけないというのが、この本を読んでいて嫌と言うほどわかります。
それと、科学的な知識がほとんどない読者にも、できるだけ噛み砕いた表現で書かれているとは思うのですが、それでもやっぱりわかりません。
ですが、細かいことがわからなくても、物語の面白さは成立していて、充分楽しめます。
でも、それはそういうものだと思って読み進めれば、最後まで読む上で特に支障ありません。
もちろん、そういう知識を持っている方がより楽しめるのでしょうけど。
そんなワトニーを愛おしく感じてしまったのが、以下の交信部分。
NASA「これ全世界に放送されてるから言動に気をつけろよ」
ワトニー「みてみて~ おっぱい→(・Y・)」
絶望してもいい状況なのに、ワトニー面白すぎ♪
とっても分厚い本なんですけど、全然苦になりません。
まだ、終わってくれるなと思いながら読んでしまいます。
ということで、ここ最近読んだ本の中で今のところ、ベスト1の一冊でした。