Walking backstreet(裏道を歩いていこう)

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Walking backstreet(裏道を歩いて行こう)

40代後半になっても自分の生き方、進む道が分からない男のブログです。「40にしても惑う」人間の悩みや日常の思考などを趣味も交えて書いています。

最愛/真保裕一

Books

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「奇跡の人」を読んだ時に感じたのと同じ読後感でした。

 「奇跡の人」では、物語途中から主人公の行動に肩入れができなくなり、後半は読んでいてイライラさせられ、そのせいかラスオチの驚きや感動も薄まってしまったのでありました。
 
この「最愛」については、そこまでじゃないにしろ、主人公がとる行動についてやはり共感できず、う~んという感じでしたね。
 
ラストがたとえ、ああいうオチであったとしても個人的には理解できません。
 
ストーリーは、小児科医である主人公、押村悟郎は4歳の時に2歳年上の姉と離ればなれに生活していたが、高校時代ぐらいまでは時々会う間柄だったが、お互いに預けられた親戚同士が遺産相続で揉めてから会わなくなり、その後19年間連絡を取り合わないようになっていた。
 
その姉が、ヤミ金系の事務所で拳銃で頭を撃たれて重体となったという知らせを受け、悟郎は病院へ駆けつけるが、なぜ姉が撃たれたのか、音信不通となっていた間に姉はどんな生活をしていたのかを知りたいと思い、関係者を訪ね歩く。
 
姉が事件の2日前に結婚していた事を知るも、その夫である人物が見舞いに来ない事に疑問を抱くが、同時に結婚相手が元殺人犯であることを知る。
 
更に、姉は風俗店で仕事をし、稼いだお金を誰かに渡していた事も悟郎は突き止める。
 
要は、音信不通であった姉の過去が物語が進むにつれ明らかになっていく内容なんですが、「奇跡の人」と全く同じ手法ですよね。
 
同じ手を何度も使うというのは、正直、あまり褒められたものじゃないです。
 
僕の場合、「奇跡の人」から「最愛」と続けて読んでしまったので、余計にそう感じました。
 
そして肝心なのが主人公である悟郎の思考と行動。
 
ずっと会ってなかったにせよ、自分の実の姉が事件に巻き込まれ危篤状態となっているのに、主人公は姉の過去に拘り調べる事を優先するのです。
 
ここで、読んでいる者としては、「え?」って感じてしまい感情移入できなくなります。
 
もちろん、主人公と姉の離ればなれになってから音信不通になるまでの関係性は、徐々に明らかにされていくので、姉の過去を知りたいという主人公の思いはわからないでもない。
 
でも、それはラストまで読んで、なんとなく理解できる事であり、かといってそれでストーリー的に成立しているかといえばそうも思えません。
 
主人公は医者であるので、危篤状態の姉が助からない事は充分承知しているのです。
 
にもかかわらず、姉の過去を調べる事を優先する悟郎、なぜなのかという描写も無いので、僕個人としてはやはり理解不能なのであります。
 
また、関係者と思われる人達に対してもアポの取り方含めて、かなり粘着系な印象が強く、そこまでする?という感じ。
 
ラストのオチについては、勘の鋭い人なら途中で気付きながら読んでいるかもしれませんね。
 
まあ、ディスり気味な感想文になっちゃったけど、もう少しだけあきらめずに他の作品を読んでみようとは思います。
 
それでダメだったら、たぶんこの作者とはソリが合わないということで自分を納得させるしかありません(^^ゞ

 

最愛 (文春文庫)

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