Walking backstreet(裏道を歩いていこう)

Walking backstreet(裏道を歩いて行こう)

40代後半になっても自分の生き方、進む道が分からない男のブログです。「40にしても惑う」人間の悩みや日常の思考などを趣味も交えて書いています。

ラストボーイスカウト

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最近の?ブルース・ウィルス主演映画は、ハードなアクションがあるにせよ、ほっこり&ポップな感じで観る事ができる作品ばかり思い浮かべるのですが、この映画はそれとは全く正反対です。
 
かなりダークで粗野な印象です。
 
冒頭、アメフトの試合シーンで、何が何でもトライを決めろと言われた選手が、ハーフタイム中にロッカールームでクスリを決め、試合中にタックルで向かってきた相手選手をお腹に隠していた銃で撃ち殺す場面があるんですが、いきなりシュールなスタートダッシュです。
 
というか、試合会場に銃なんか持ち込めるのか?という疑問もありますが。
 
銃をぶっぱなすアメフト選手、見覚えあると思ったらビリー・ザ・ブートキャンプのビリー軍曹でした。
 
このシーン、結局のところ本編にはあまりリンクしてこないものでして、それが返ってこの作品のダークな雰囲気を高めているようにも思いましたね。
 
探偵として働く主人公B・ウィルスですが、仕事の相棒からある高額ギャラが支払われる仕事の話しがあり受けるところから本筋がスタート。
 
主人公が出張から予定より早く帰ってみると、一緒に仕事している相棒が自分の妻とデキていることがわかり、家の中で怒り任せに銃をぶっ放します。
 
しかし、その相棒も車に仕掛けられた爆弾で死亡。
 
どうやら、危ない調査の仕事を引き受けてしまった事に気付き、キーマンとなるパブの女性ダンサーを警護するも彼女は敵に殺されてしまいます。
 
この女性ダンサー、まだ売れる前のハル・ベリーでした。
 
序盤でお役御免となるあたり、この頃はまだペーペーの女優だったのでしょうね。
 
主人公は元凄腕のシークレットサービスで、もの凄く腕が立ち正義感も強いキャラです。
 
女に暴力をふるう性癖の国会議員をぶん殴りクビになっていますが、そんな彼もかなり実はかなり病んでいるというかイカれています。
 
気に食わなければすぐに相手をぶん殴るし、自分に手を出そうとする者はためらいなく殺し「力加減が出来ないんだ」と軽口で答えます。
 
自分の娘に対する態度もひどいもんです。
 
アイスクリーム食べるかと聞いて、反抗期の娘が「いらない」と答えると、そのアイスを窓の外から放り投げてしまうあたり、そりゃ子供もグレるわなと思わずにいられません。
 
正義感が強い人間だけど、どこか破綻している主人公。
 
これがたまらなく魅力的なのであります。
 
こんな破綻した主人公に合わせて、他の登場する人物も歪んでいるキャラが多く登場します。
 
旦那の同僚と浮気する主人公の奥さんなんかその典型だし、プールの中で女を沈めて無理矢理自分のイチモツをくわえさそうとするフットボール選手、暴力の性癖を持つ議員など、ともかくダークなんですよ。
 
殺された女性ダンサーの恋人も、主人公の家のトイレで我慢出来ずにクスリをやろうとして、ぶん殴られます。
 
まあ、だいたい出てくるヤツみんながイカれてますね。
 
無秩序且つ下品な世界で生き抜く男達が、この映画のテーマと言ってもよいかもしれません。
 
それだけに、この映画は名作だと思います。
 
ハードコアなブルース・ウィルスが観たければ、これが一番オススメじゃないでしょうか。