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40代後半になっても自分の生き方、進む道が分からない男のブログです。「40にしても惑う」人間の悩みや日常の思考などを趣味も交えて書いています。

老人と宇宙/ジョン・スコルジー

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実は今までSF小説と呼ばれるものを読んだ事がなかった。

 
SF小説ってハヤカワ文庫で出てるヤツだろ?ぐらいのレベル。
 
いつか読んでみたいと思っていたけど、読もうと思うタイミングが掴めなかったのと、どれ読んでいいかわからなかったのであるが。
 
この「老人と宇宙」は、たまたまどこかのブログで紹介されていて、すげぇ面白いという評価だったので読みたい本リストに登録していたのだ。
 
で、出張が最近あったので、移動中に読む本をブックオフであれこれ物色していたところ偶然見つけて購入、行きと帰りのバスの中で一気に読んでしまった。
 
つまり、それだけ面白かったとういこと。
 
原作タイトルは「Old Man's War」。
 
邦題同様、よくこんなタイトルで売れたなとも思ったけど、反面、老人の戦争って何?という興味も確かに惹かれる。
 
75歳を過ぎた老人しか入隊できない宇宙のコロニー軍という設定が、まず面白い。
 
コロニー軍に関する情報は地球にいる者は誰も知ることができず、入隊して初めて自分達がどういう状況になるかを知ることになる。
 
当然、老人のままでは戦力にならないので、あることが老人達に施されるわけだけど、そのあたりの描写もけっこう面白い。
 
そして、コロニー軍と対決する異星人達が各種様々であり、激しい戦闘シーン含めて楽しく読める。
 
ただ、仲間が死んでいくところは割と淡々と書かれており、特に残忍な殺され方をしていても返って余計怖い感じがした。
 
主人公が人生経験を積んだ75歳の老人で、その一人称でストーリーが語られているから、そういう表現で良いのかもしれないが。
 
後半はラブストーリー的展開にもなり、SF初心者には充分過ぎる内容だったと思う。
 
ただ、コアなSFファンからすると、作品内で登場する武器や乗り物、宇宙での移動方法、医療といった演出マターや設定に対する科学的根拠が乏しいということらしく、なるほど、筋金入りのSFファンはそういうところも作品に要求するのだなと勉強になった。
 
個人的には、ストーリーがまず面白いことが第一なので、よほど酷い設定でなければ別にいいじゃんと思っている。
 
SFモノ初心者の自分にとって、これを最初に手にとって読んだのは実に幸運だったと思う。
 
それぐらい、入門編としても適している作品ではなかろうか。