農業ってそんなに面白いか?
たまたま仕事の関係で、今年は春から水稲の試験栽培をしたり野菜を作ったりする体験ができました。
使ってない圃場を農家から借りての作業だったけど、まあそれなりに色々と勉強にはなったかなと。
水稲だったら、春前の耕起から始まって肥料散布、代掻き、田植え、防除、草刈りといった作業があります。
野菜栽培だったら、果菜類であれば播種から育苗、灌水、定植、摘芯、収穫といったことや防虫剤散布など、まあ様々ですね。
米は今まさに収穫時期なんですが、野菜関係は何度か収穫もしており、それなりに収穫の喜びを味わっているはずの自分。
しか~し、、よくある「自分で育てた野菜を収穫できて、農業の楽しさを実感しました」という気持ちは全く持てませんでした。
全くというのは言い過ぎかな?
芽が出たとき、大きく育った時、収穫できた時、それぞれで嬉しいと感じることは確かにありましたから。
でもねぇ、、それで農業が好きになるとか、農業やりたいかって感じにはならんかったのですよ。
よく言われる「農業は実際にやってみるとその楽しさがわかる」は、僕には響きませんでした。
だから、芸能人やら最近の若い人やら、定年退職した人やらの農業やりたい症候群が今ひとつピンとこないっちゅうか。
まあ、農業だけ特別扱いというか、上っ面リスペクトされる風潮も好きじゃないんですけどね。
農業って、基本的に土地を必要とするのが大前提で、例えば水田で10aの土地があって、米の収量は約600kg。
買い取り価格が60kg(1俵)あたり9,000円として、10aで9万円です。
その土地で、年間通して米しか作らなかった場合(実際には水稲は田植えから刈り取りまで半年程度)、10aの土地を利用しての生産額は9万円しかないのです。
1haあったとしても、90万円の生産高。
1haの土地の活用として、ものすごく非効率ですよね?
1haあれば、そこそこの工場も作れ、人の雇用も生まれ、年間90万円以上の売上げを出すのは確実です。
でも、農業は「食」の根本となるもの、だから効率性のみで語ってはいけません、というのがお題目。
なので、結局、農業を語る時ってどうしてみ情緒的になっちゃって、文化だとか地域だとか環境だとか、色んな尾ひれが引っ付いてくるのです。
果たして、それでいいのかっていう疑問は個人的にあるのですが…。
まあ、そんな効率性の話しとか抜きにしても、やってみたけど農業の何がおもろい?というのが正直な感想でした。
なぜ、自分がそう感じるのかについては、理由がわかりません。
性格的なものなんでしょうかね。