2019年に読んだ本(その3)
2019年に読んだ本(その2)
テンポが非常によく、スイスイと読めてしまいす。東京の渋谷を舞台にしたギャング抗争のお話し。主人公は渋谷を拠点としてストリートファイト商売を生業にするチーマー。そこにプロ窃盗団が盗んだ大金とヤクザが絡み物語が進みます。僕もたまに行きますが、少し前の渋谷センター街って恐ろしいところだなぁと思ってしまいます。
【2018年・第16回「このミステリーがすごい! 大賞」優秀賞受賞作】 感染領域 (宝島社文庫 「このミス」大賞シリーズ)
- 作者:くろき すがや
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2018/02/06
- メディア: 文庫
2019年に読んだ本(その1)
◆「オーデュボンの祈り」/伊坂幸太郎
江戸時代から外界と遮断されている孤島「荻島」を舞台にした不思議な物語。未来を予見する喋る案山子が殺されるというミステリーですが、全編に漂う独特の空気感と見えない結末に引きずり込まれ一気に読んでしまいました。あと、これが伊坂氏のデビュー作というのも知らなかったです。果たしてこれはミステリーなのかファンタジーなのか悩むところではありますが、きちんと伏線を回収しているところはさすがといった印象です。
いつも思うのは、なぜ自分は東京の下町に生まれ住んでいなかったのだろうという嘆きながら生きており、泉麻人氏のような人を常にうらやんでおりました。
話しの流れとしては、マルドゥック・スクランブルの続きにあたる物語。発売の順序でいくと、マルドゥック・ヴェロシティの後に出版されておりますが、くろばこはスクランブルの続きが読みたかったので先にこちらから読み始めした。金色の鼠ウフコックがメインで描かれていますが、強力で魅力的な敵の登場、そしてそのバトルシーンなどが非常に上手く描かれており、読みだしたら本当に止まりません。雰囲気的には悲哀感が残るラストになりそうですが、その覚悟を持って続きを読み進めたいと思っております。
珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 作者:岡崎 琢磨
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2012/08/04
- メディア: 文庫
京都にある珈琲店タレーランを舞台に、女性バリスタ切間美星が名探偵として事件を解決、、、ってな感じなんですが、事件というほどのものではないです。もう一人の主人公青野大和との出会いと関わる事件が主軸で、ラストの思わぬ展開には確かにびっくりさせられましたが、これも読者のミスリードを誘う手法が取り入れらていて、個人的にはそこが読後感を損ねた感がありました。あと、ちょっと全体的に粗さがあり、偉そうな感想を言わせてもらうと、もう一息かなぁという印象でした。
天冥シリーズの完結編です。これだけ中身の濃い物語を約10年に渡り、全くクオリティを落とさずに発表してきたことに驚きと共に敬意を表したいと思います。そのスケールの大きさに圧倒されっぱなしでしたが、読み続けることができて本当に幸せでした。ヒトとは?世界とは?命とは?などなど、全編通して込められたメッセージは感動的であり、できれば多くの人に読んでほしいと思える本でした。